抜かない歯科治療症例|抜かない歯|とみなが歯科医院

EMAT症例

Case01 サイナストラクト
Case01 サイナストラクト
症例の説明

6┐の根尖病変が頬側に波及し、頬側骨を穿孔し、開口部径約3.7×5.8㎜の痩管を形成していた。遠心根根尖孔より出血が認められ、プロービングデプス3㎜以内であった。根管形成後、EMATを行い、ただちに根管充填を行ったところ、1ヵ月後より骨形成像がみられ、1年5ヵ月後には皮質骨の再生を認めた。遠心根遠心側にわずかながら歯根膜腔の拡大がみられるものの、骨梁構造は均一化しており、連続した歯槽硬線が認められ、ほぼ正常像を呈していた。
通常、適切な根管治療を施し、根尖周囲の炎症が消退すれば、痩孔は治癒することが知られている。しかし、骨壁の欠損が大きいと骨形成が不十分となって結合組織が欠損部に侵入するため、炎症はないにもかかわらずエックス線写真で骨欠損が残存する症例が散見される。
本症例は頬側に大きな骨壁の喪失がみられたが、1ヵ月後には骨形成が観察されたことから、EMATの治癒促進効果が発揮されたのではないかと考えている。

Case02 歯根嚢胞
Case02 歯根嚢胞
症例の説明

下顎右側白歯部に幅径約26.5㎜のエックス線透過像が認められ、6┐には根管治療がなされていた。また、電気歯髄診の結果、7┐と5┐は生活反応がなかったので、3歯に対して通法に従い根管治療を行った。マイクロスコープ下にて診査したところ65┐において根尖から多量の滲出液が認められ、滲出液を吸引すると根尖病変内部は空洞状態を呈していたため、歯根嚢胞と診断した。765┐根管内の汚染内容物、歯質を除 去した後、2%次亜塩素酸ナトリウムを使用して passive ultrasonic irrigation を行い、水酸化カルシウム貼薬を3回繰り返したが、根管内所見に著明な変化は認められなかった。そこで、6┐近心根根尖相当部を約5×5㎜全層弁で剥離して、頬側骨を約3~4㎜穿孔し、骨形成を促進させる目的で嚢胞壁を可及的に掻爬した後に65┐根管からEMATを施行した。その後、根管充填を行った。3ヵ月経過後、すでに病変部骨壁より骨形成像が認められ、2年1ヵ月後には周囲骨とほぼ同等の骨梁構造が認められた。
病変の大きさは治療の成功率に影響するという報告が多いが、本症例では嚢胞壁の掻爬を併用しているとはいえ、3ヵ月で骨欠損に改善がみられたのは、EMATによる治癒促進作用の効果ではないかと考えている。

※Ng YL,Mann V,Guiabivala K : Outcome of secondary root canal treatment: a systematic reviw of the literature. Int Endod J, 41 : 1026-1046, 2008.